神王~DANTE~ 【BL】
神王~DANTE~ 【BL】
成人向
発行者:仁蕾
価格:章別決済
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ジャンル:その他

公開開始日:2010/05/29
最終更新日:2010/07/31 17:07

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神王~DANTE~ 【BL】 第4章 遊戯


『こんなとこまでどうしたの?』

「んー…ちょっと羅雫の住処が人間に見付かっちゃって…。」


 頬を掻いたシェオルが呟いた瞬間、遊羅の眼光が鋭くなり、白の髪がぶわりと舞い始めた。


『羅雫、どう言う事?お前の住処がシェオルにとって良い環境だったのに…それを人間なんかに見付かるだなんて。』


 明らかな殺気が羅雫を襲う。しかし、羅雫は大して気にした様子も無く、クレアにじっとりとした目を向けた。
 遊羅の殺気にストップを掛けたのはシェオル。自分の過失だと述べれば、瞬時にして遊羅の表情が泣きそうなものに変わる。


「今日からは此処にお邪魔するけど…良いかな?」

『モチロン!大歓迎。』

「良かった。」


 シェオルが笑えば、一瞬にして花でも飛んでいる様な空気になる。
 鍾乳洞の奥に即席の居住区を作る。と言っても、草を座りやすそうな岩に幾重にも重ねるだけである。背凭れとして、再び虎の姿をとった遊羅が伏せている。
 クレアは崖上の森に生っている木の実などを取りに行き、羅雫は崖下の急流な川で魚を確保しに行った。


『羅雫の結界が効かなかったって事?』

「うん…正常に作動はしてた筈なんだけど…羅雫が何も反応しなかったし、壊れた感じもしなかった。」

『壊れたら霧が晴れるもんね。』


 シェオルは侵入者を思い出し、クツリと小さく笑いを零した。遊羅は不思議そうに首を傾げたが、「何でもないよ。」と頭を撫でられて目を細めた。
 しかし、シェオルの頭の中には、赤茶の髪をした男が描かれていた。


(綺麗な顔してた…や、カッコイイ…になるのかな?)


 綺麗な顔立ちには、クレアや遊羅で見慣れていたが、それでも印象に残っていた。
 驚愕に揺れる琥珀の目。長身で筋肉に覆われた痩躯。己とは違って、日に焼けた褐色の肌。軍人らしい体付きに、正直羨ましいと思っていた。
 羅雫の殺気に当てられ、一瞬の内に煌いた覚悟の光。
 耳障りの良い低い声で呟かれた〝神王〟の言葉に、少しばかり気分は下降した。
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