春夏秋冬 Ⅱ
春夏秋冬 Ⅱ
成人向
発行者:ほおずき
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛
シリーズ:春夏秋冬

公開開始日:2012/05/27
最終更新日:2012/07/12 19:23

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春夏秋冬 Ⅱ 第1章 写真
別れてから一度もプライベートで会うことのなかった弥生様が、あろうことか葬儀のために王都から出向いて来られた。

一言、大丈夫か、と声をかけ肩を叩いただけだったが、あの錯乱していた時期のことにしては、よく覚えていた。



「そうだったね。
心配していた‥。
君はただでさえ寂しがりだったし」


そんな風に気安い言葉をもらうと、8年もの歳月があっという間に逆行するような錯覚に陥った。



「寂しかった‥。
世界に取り残されてしまったような気さえしていた。

だけど、故郷に戻れば兄の友人だった人もいて、時間はかかったけど何とか落ち着きました。

一年程前に、この子をうちに引き取って、今は一緒に生活しています」


空いたグラスに新しい液体が注ぎ込まれて美しい気泡を上げた。


「王都から出てしまうと聞いたときは残念だったが、仕事は続けてくれて良かった。今や優秀な外務官だものな」


「まさかの隔週勤めですが。
周囲からはパート官僚と呼ばれております」


「それでも王都は君を必要としている。忙しいだろうが、身体は大事にね」


「‥ありがとうございます」




「それにしても、可愛い彼氏を見つけたね。一緒に暮らしてるって?」


俺と弥生様の会話をおとなしく聞いていた光だが、弥生様の視線が自分に向くと、途端にビクッと体を震わせた。


「ええ。東海に出張していた際に会いまして、俺の一目惚れです。無理矢理、うちに引き取る算段をしました」


弥生様相手に見栄を張る気は起きなかった。

悪いことも正直に相談できてしまう、兄や父より気安い、あの頃のままの彼の雰囲気がそうさせるのだろう。

恋人と言うより、学校では教えてくれないことを教えてくれた俺の先生。



「君も困った男に好かれたね。
皓の相手は大変だろう、寂しがりだから」


「寂しがりで、嫉妬深くて、我が儘で」

固まったまま答えられない光の代わりに、苦笑して自分で自分の欠点を上げる。


「セックスは激しくて?」


「俺は淡白ですよ」


「嘘だね。君はがっつりエロいよ。
好奇心も強いし、セックスは大好きだったろ」


「若かったんですよ。単純に。
って、光…?」
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