春夏秋冬 Ⅱ
第3章 嫉妬
光に彼女がいたらしい‥。
俺はそんなこと知らなかった。うちに連れて来たときの様子からして、男も女も経験している様子はなかったから、安心してた。
だけど、光が既に女を知っていたら‥。
馬鹿げた嫉妬だと解っている。俺に会う前のことなんか、責められるはずがないのに。
「こうさまっ!!?」
「っ‥」
肌を合わせることに、光も俺も未だに慣れることはなかった。光がまだ、処女のままだからだろうか。
いつも緊張感の入り混じった興奮が伴う。
後ろを弄られて快感を得ることは出来るのに、痛がって挿入は出来ない。
ゆっくり待とうと思っていた。
直に身体も成長するだろうし、緊張が解れれば受け入られるようになるだろうと‥。
光は俺の傍にいる、焦る必要はないと、自分に言い聞かせていた。
だけど、
光には彼女がいた‥。
光の中に突き立てた二本の指で、激しくしこりを責め立てると、ビクビクと身体を震わせて、泣き声をあげる。
「ひゃぁぁっ、やぁ、やだっ、やだよ」
「なぜ?、気持ちいいだろう?」
光の性器は立ち上がって、自分自身の零した滴りで濡れていた。
「やぁ、やぁんっ、はぁっ、」
ピクピク震えて、物欲しそうな淡い色の性器。これを弄ってやらなきゃ、後ろだけじゃ光はイけない。
「ひぅっ‥、こうさま‥!?」
「後ろだけで、イッてごらん‥」
「ぅっ、何で‥?」
帰ってくるなりこんな真似をされて、訳も分からず混乱に泣く光を抱きしめて、更に彼を追い詰めた‥。
余韻から抜け出せず、ぐったりと力を失った身体。 泣いたせいで赤く染まった目尻。
「ひかる‥」
「‥はい」
光の声は涸れていた。
「彼女、いたの?」
「‥‥‥‥彼女、」
そう呟くと、光は掠れた声でクスッと力無く笑った。
「俺のせいで、離れた?」
「‥‥忘れていました。
このお屋敷に来ることが決まった時から‥」
「俺を恨んでる‥?」
「恨んでいたけど、それも忘れていました‥。母さんと親子でいられなくなったのも、弟達と離れ離れになったのも、全部あなたのせいだと思ったけど、
忘れていた‥」
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