春夏秋冬 Ⅱ
春夏秋冬 Ⅱ
成人向
発行者:ほおずき
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛
シリーズ:春夏秋冬

公開開始日:2012/05/27
最終更新日:2012/07/12 19:23

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春夏秋冬 Ⅱ 第2章 歌と花と





弥生様と出会ったのは俺がまだ学生の頃だった。


後から知ったのだけど、本来ならあの方は、気安く口を聞くことの許されぬ雲の上の人だった。ただ知らないという事だけが、俺とあの方の間にあった身分という隔たりを取り払っていた。



今から10年も前のことだ。
















橘や椿と同じ学園に通い、堅苦しかった(当時はそう感じていた)家からでて、俺はまさに自由だった。

家からもたらされる十分な援助と、自分で言うのもアホだがこの顔と頭と、不可能なことはないのではないかとさえ思っていた。

学園にいるうちは‥。


昼間は学園でほかの貴族の子息たちとお行儀良く勉学に励んだ。学ぶことは嫌いじゃなかった。やればやっただけ知識が頭の中に入っていく、その感覚が好きだった。 また、誰かに負けることは、なけなしのプライドが傷付いた。


そうして夜になれば、橘や椿と学園を抜け出して、夜の町をさまよう。未成年であることは口にしない、それだけで特別嘘をつく必要はなかった。

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