SITIGMA Side-Koichi Vol.1
SITIGMA Side-Koichi Vol.1
成人向完結
発行者:とりさん
価格:章別決済
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ジャンル:その他
シリーズ:STIGMA

公開開始日:2012/05/10
最終更新日:---

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SITIGMA Side-Koichi Vol.1 第2章 1
 新しい学校もまたけっこう都会の中で、校区にあまりいい遊び場所がない。だから、学校のグラウンドが五時まで開放されていて、ぼくは目一ぱいまで、学校で遊んでから家に帰る。なるべく、家にはいたくなかったから。
 二人が帰ってくるのはたいがいおそいから、一人の時間が長い。でも二人の住んでいる空気は、引っこしてすぐに新しいマンションの部屋にもしみついた。当たり前だけど。その空気が、ぼくにはたえられなかった。
 二人はぼくのお父さんとお母さん。だけど、血はつながっていない。ぼくの本当お母さんは、ぼくがまだ幼ち園くらいの時、死んじゃった。そのあといろんな人の所でくらして、しせつに行って、小学校に上がる前くらいに、二人の子どもになった。しせつに何回か会いにきて、遊園地に行ったりしたときは、けっこうやさしかったけど、ぼくは二人とも好きじゃなかった。よく考えたらぼくは、だれも好きになったことがないような気がするけど、二人は、「なんかいやだな」って、最初に会った時からぼく、感じていた気がする。

 お父さんとお母さんは、仲が悪かった。どうして結こんしたんだろうって、ふしぎに思った。二人とも給料のいい、大きな銀行につとめているみたいだった。お父さんはぼくがいてもいなくてもいいみたいで、お母さんはぼくに意地悪ばかりした。ぼくはだれも好きになったことがない前に、だれにも好きになってもらったことがなかったと思う。本当のお母さんも、たぶんぼくがいない方がよかったって、思っていたと思う。ぼくをしかたなくあずかったしんせきの人も、しせつの人も。しせつの他の子も、みんなだれかにいじめられたりいじめたりしていて、ぼくもどうしてもとうめいになれなかった。だから二人の子どもになろうって決めた。たぶん正かいだった。お母さんは意地悪するけど、家にいない時間の方が長いし、学校でとうめいになるコツさえわかれば、家では自分の部屋に、なるべくいるようにしていれば、二人にとってぼくがいないのと同じで、ぼくも二人がいないのと同じだった。小学校の一年とかでは、自分の部屋がない子だって多いし、しせつにはもちろんなかった。一人で本を読んで、一人で寝られるだけでも、ぼくはずいぶん幸せになれたと思う。
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