SITIGMA Side-Koichi Vol.1
第3章 2-1
片づけも洗いものも、おじさんと一しょにやると楽しかった。それが終わると、おじさんはぼくにパソコンを見せてくれた。ぼくをあの大きなクッションにすわらせて、おじさんはぼくの、後ろにすわってぼくに体をぴったりつけてぼくをだっこした。ぼくはどきどきした。いやだとは全ぜん、思わなかった。普通の四年生は、こんな風にされてうれしいのかな。学校では、先生にだきつく男の子もいる。けどもう、そんなのは幼ちだと思っている子の方が、多いかな。ぼくには普通がわからない。
おじさんは、インターネットの使い方とかを教えてくれた。ただでできるパズルやゲームもあった。学校にもパソコンとインターネットはある。けど使える時間はほんのちょっぴりで、好きなことができるわけじゃない。昼休みも使えるみたいだけど、ぼくは外で遊ぶか、雨なら図書室に行っていて、あんまり使ったことがなかった。
動画が見られるのがすごい。ぼくは家で一人の時はリビングでテレビを見るときもあるけど、レコーダーをかっ手に使うのは、何だか気が引けるし、二人がいる時はリビングにいるのがいやだし、好きな番組を欠かさず見られるわけじゃなかった。「本当は法りつ違反なんだけどね」とおじさんは笑って、いろんな番組がろく画して、ネットに流されているのを見せてくれた。流すのは法りつ違反で、見るのは別にかまわないんだって。何だか変だなあ、と思ったけど、見たいのは一ぱいあって、ぼくはやっぱりいつの間にか夢中になっていた。
18
NIGHT
LOUNGE5060