創作話 「ゆる坂の狐」
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発行者:たけぼんだぬき
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:創作物語

公開開始日:2012/05/06
最終更新日:2012/12/29 15:57

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創作話 「ゆる坂の狐」 第5章 第五話 「官能の一夜」
彼が振り返った方向には

ふわふわの 布団が伸べてあり

枕元には 淡い光を放つ 行灯が

置いてある

いつの間に 部屋に入ったのか

淡い光の中で 蛍が部屋の闇の中を

飛んでいる

幻想的な光景を彼は 不思議そうな眼で

見ながら 部屋から出ようとする娘に

ありがとう ゆっくり休めそうだよと

言うと 布団の中に 潜り込んだ


部屋の障子は 自分が座っていた

場所だけ 開いている

その隙間から 月の明りが部屋中に

広がって 行灯を消しても よく見えるほど

明るかった


彼の頭の上で 蛍が 数匹

陽炎のような 光りを放ちながら

舞いを踊るように まっている

やっぱり 俺は・・・・

だまされているんじゃないか・・・

眠れば 死んでしまうかも知れない

そんな不安が どんどん彼の胸の中で

育っている


こんな形でも 大好きなこの山で

死ねれば 本望かも知れぬ

父の如く 厳格な この山が

しかし何故 こんな形で 俺のいのちを

奪おうとする

自分の技術のなさ故か それとも

気づかぬ内に 冒とくでもして

山を怒らせたか

いつも我が家で 眠るぺったんこの

布団にくるまって眠ってきた

彼にとって 気持ちが悪いほど

ふわふわの布団に包まれていると

寝付けぬままに 蛍を見つめていた

-------つづく--------
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