創作話 「ゆる坂の狐」
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発行者:たけぼんだぬき
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:創作物語

公開開始日:2012/05/06
最終更新日:2012/12/29 15:57

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創作話 「ゆる坂の狐」 第5章 第五話 「官能の一夜」
頭の 片隅にある疑問

しかし何故? そして

いつの間に・・・

こんな山の山腹にこんな素敵な

建物や庭が 一体どうやって

出来あがったのか

彼がまだ幼い時分から父の真似をして

この山は 何度も いや中庭だとさえ

思って来たのに 現実に目の前に

このような場所があったなんて

俺は・・・ もしかして

狐か 狸に化かされているのでは

彼は 現実に引き戻されてしまう

のではないのか・・・

こうした山では それが一つ間違えば

道に迷ったり 足を踏み外して

大けがをしたりでもすれば命取りに

なりかねぬ事位は身にしみて知っている


この山中 慣れた道でも なめてかかれば

いつどうなるか 知れたものではない

そんな不安が 湧き上がってくる

娘の家の 縁側に座り 美しい月を見ながら

物思いに耽っていた


あの もし・・・

後ろから急に 声を掛けられた

どれほどの時間が過ぎたのだろう

気づかぬ間に 娘が彼の背後にいて

両手を揃え 正座して座っていた

あ・・・ と驚いた様子で振り返ると

娘は 囁くような甘い声でお床の用意が

出来ました

今宵は ごゆっくり お休み下さい

そう言うと その場を立った

-----つづく-----
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