創作話 「ゆる坂の狐」
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発行者:たけぼんだぬき
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:創作物語

公開開始日:2012/05/06
最終更新日:2012/12/29 15:57

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創作話 「ゆる坂の狐」 第4章 創作話 「ゆる坂の狐」 第四話
第四話「星煌めく 美しき夜」




陽は あっという間に 西の空

四国の山肌を 赤く染めゆく

夕陽を 彼は見つめている


細長い縁側の 渡し板に

娘から勧められた 大きな

赤い座布団 まるで 御大名が

座るような 上等のもの

恐縮しながら 彼はそこに

座った


いやぁ こんな座布団は

座った事がないので 尻を

どこに置いたら良いものやら

そういうと 娘に 笑いかけた


ごゆっくりとなされませ

私は 夕食の用意が御座います

庭の風景を眺めて ごゆるりと

そう娘は言うと その部屋から去り

竜の水墨画の 襖を閉めた

優しい 夕陽が 部屋の隅々にまで

あたり 真っ赤に染めた


彼は 庭先の一本の ブナの木を

見ている その先に広がる

四国の山々 霞む程 遠くまで

見える

空気は 清々しく 透き通る空間に

彼は 浸りきる


そういえば ずっと ずっと

昔 子供のころ 見たような

光景 素直な 心 透き通る思い

その中に 俺はいるようだ


山の端にひっかかるように

夕日は 大地に今日 最後の光りを

打ち流し 静かに沈んでゆく


------つづく------
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