創作話 「ゆる坂の狐」
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発行者:たけぼんだぬき
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:創作物語

公開開始日:2012/05/06
最終更新日:2012/12/29 15:57

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創作話 「ゆる坂の狐」 第1章 創作話 「ゆる坂の狐」 第一話
第一話 「平家落ち合い部落」


四国の背骨 四国山脈

峠の坂は どの路も

きつく 厳しい


木々が 生い茂り

昼間でも 木漏れ日が

薄く 差し込む

湿気の多い 坂道



徳島と 高知を分ける峠道

昔 源氏に追われた 平家の武士団

逃れ逃れて 平家の村を作った


落ち合い部落 平家の赤旗

その村の中心に 棚引いていた

あの有名な 祖谷の かずら橋も

その為に 作ったものだという


源氏の兵士が 攻めて来たら

この橋を 切って落とし

村への侵入を 防いだ



そんな 村の一つに

彼は生まれ育った

この村に 夏草が生い茂り

一見 路とは

思えぬような 獣路


ゆる坂と呼ばれる 坂道がある

この辺りは 猪や うさぎ

タヌキや 狐が通る

細い路


山の中腹に 一軒のあばら家がある

昔から 猪狩りにやってきた

猟師が 一晩過ごすために

建てた家だいう


そこに行くには このゆる坂を

通る以外に 行く路はない

鎌を手に 一人の男が

長くのびた 夏草を

刈り取りながら 進んでゆく


額に 大きな汗 左の頬には

虫に 食われた 跡がある

左手で 跡を ボリボリ掻きながら

先を急ぐ


足もとは 夏の日差しで

堅く固められた 大地

大きな石を 避けながら

鎌持つ手を 振り回す


------つづく-------
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