POEM「春夏秋冬 思いのままに」
POEM「春夏秋冬 思いのままに」
成人向
発行者:たけぼんだぬき
価格:章別決済
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ジャンル:詩
シリーズ:短詩系冊子です。

公開開始日:2012/05/04
最終更新日:2014/12/30 14:43

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POEM「春夏秋冬 思いのままに」 第1章 生き様 春編
鈴の音



今年も 響く 四国路に

思いを 大地に委ねつつ

歩みいく身の小ささよ


小路にその音色

鈴の響きの 侘しさよ

遍路姿に身を包み

過去の宿業 身に纏い

杖を頼りに 南無大の

称名唱え 歩みいく


老いた背中に

太陽は 遠慮しがちに

爽やかな春の日差しを

降り注ぎ 路の端

歩みて たれを思うらん


大事な人を亡くしたか

自分の病の癒えぬのを

思うて この路歩くのか

胸には 南無大師編照金剛の

文字さえあせて旅の苦労を

忍ばなむ


尊いのちのその旅も

無事に終れと願うのみ

おせったいの温かき

思いが 身を守る


辛き山道 この先を

鈴の音色が 身を守る


人生遠き 路なれど

わらじの紐も 締めなおし

四国の春が みまもらん


八十八箇所巡りしを

願い叶えと 祈りいく

旅の終わりを 幸せが

あなたに注げと 思うらん

春の小路に 鈴がなる
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