POEM「春夏秋冬 思いのままに」
POEM「春夏秋冬 思いのままに」
成人向
発行者:たけぼんだぬき
価格:章別決済
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ジャンル:詩
シリーズ:短詩系冊子です。

公開開始日:2012/05/04
最終更新日:2014/12/30 14:43

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POEM「春夏秋冬 思いのままに」 第1章 生き様 春編
春の雨



優しく降るはずの 春の雨

悲しいほどに 僕の心に響く

寂しいまでの 静けさ

鳥の啼く声もない


とめどなく 押し寄せる苦痛

頭の中に居座る 痛み

きっと残酷なまでの過酷さを

僕に教えてくれているのだろう


小さな脳は悲鳴を上げている

苦痛ゆえか 優しささえ失い

薬のせいで深く眠ってしまう

目が覚めれば気だるさが

全身に 広がってすぐに

起き出せない


春の雨も 私に寂しさを

くれるだけ

じっとしていても切なくなる

動けば ふらついて動けない

ふらつきがなくなるまで

じっと待つ


覚めやらぬ情景 見ている

全てのものが 透明感に

包まれて 無感情になっていく

壮烈な あの痛みはもう今はない

記憶されたものすらない


いきなり 時計の針だけが

数時間先を指している

また落ち着けば動ける

そう願いながら じっと耐える

春の雨は 虚しく小さな音を

立てているだけ


なくした時間は もう帰らない

いのちある事の 証なのだろうか

この苦痛は 誰にも分からない

また無駄に 8時間を捨て去った

その悔しさだけが僕を包んでいる
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