梨乃
梨乃
成人向完結
発行者:竹井克
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ジャンル:その他

公開開始日:2012/04/28
最終更新日:---

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梨乃 第7章 その眩しさに
 ふらふらと、建物の屋上へと出ていた。
 なにをしにきたわけでもない。
 気が付いたら、何故かここにきていたというだけであった。
 気が付いたら、風に押され、闇に吸い込まれていただけであった。
 死ぬことは別に怖くはなかった。
 罪のばれることよりも、罪を犯してしまったということがなによりも怖かったから。
 そして、死が怖くない、ということがなにより怖かった。だってそうだろう。もうなにもないから、失うものがないから、だから、怖くないのだから。
 闇の中、風を裂いて、聞き覚えのある声が届いてきた。
 しばらくの間、まったく気付かなかったが、それは何度も何度も、呼び掛けていた。
 それは、間違いなく、ミットの声であった。
 ふと気が付けば、闇の中、風の中、強く、強く、抱きしめられていた。
 ナニモイウナ。
 気のせいだろうか。
 そんな、声が聞こえた気がした。
 いや、間違いない。
 その声に身体が、魂が、反応し、涙がこぼれ落ちていたいたのだから。

 ただいま
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