僕と彼女のビート
第4章 彼女と僕の再会の日
結局僕たちは一週間近くアパートにいて、仕事に来ない僕を心配したジョージおじさんとマーシーの母親が玄関をやぶって入ってくるまでその生活をやめなかっただろう。
まずドアが開いて僕たちの姿を確認したマーシーの母親が悲痛な叫びをあげた。
「キヌコ!!」
ああ、マーシーのファーストネームは絹子というんだったか。
「お前たち、ずっとここにいたのか?何やってたんだ」
ジョージおじさんの呆れた声。
「何って、ジョンとヨーコの真似よ」
マーシーは軽やかに答えてみせた。
ブランケットの下で僕の手をしっかり握って震えていたけれど。
たしかに僕たちはベッドの上で、裸にブランケットにくるまって、さっきまでいろんな歌を歌ってた。
汚いベッドの上で乱れきったジョンとヨーコだった。
今思い出すと、少し笑える。
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