僕と彼女のビート
僕と彼女のビート

発行者:美心(mishin)
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2012/04/24
最終更新日:2012/09/16 23:29

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僕と彼女のビート 第1章 僕たちの出会った日
その頃だって今と変わらず、世界はどこもかしこも平和というわけではなかったね。

いつだって、地球の全てがラブとピースで包まれたことはないんだろうけど。

僕たちの国からはるか西のかなたでは戦争が起こっていて、たくさんの人が毎日死んでいた。

なのに、僕たちの周りときたら退屈なくらい平和で、大きな事件などない代わりに重苦しい倦怠感がガスのように充満していた。

そういえば僕には受験勉強というものがなかった。

中学校を卒業したら父親の会社のペンキ塗りの職場に勤めることにしていたからだ。

夏休みの間はバスケット部の練習をサボればずっとマーシーと過ごすことができた。

マーシーの民族音楽研究部の集いがないときは、一緒に宿題をしたりもした。

僕たちの住んでいた地域には図書館が二つあって、僕達が利用する方の町営の図書館は果てしなくさびれていて、いつも老人か小さな子供連れの親子が数組いるくらいだった。

図書館の自習室にはほとんど誰もいなくて、時々いるのは耳のよく聞こえないおじいさんだけだったから、僕たちはそこで宿題をしながら遠慮もせずに話をした。

宿題の手を止めて僕はいつもマーシーにイタズラをした。
マーシーは嫌がるそぶりもなく、僕のちょっかいに付き合ってくれた。
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