僕と彼女のビート
第2章 変化してゆく季節に
マーシーは僕にこっくりと頷いてみせた。
僕も彼女に頷き返す。
マーシーは目の周りだけじゃなく鼻のあたまも唇も真っ赤にしていた。
「ピエロみたいな顔になってるよね、私、泣くとへんな顔になるから君の前では泣きたくなかった」
その後僕達はまた何か言い合ったけれど、その間僕はマーシーはそういえば泣くところを見せない奴だったなとか、いつも笑ってるのになんだか少しだけ目を潤ませていたよなあとかぼんやり考えていた。
こういう時間は恐ろしく早く過ぎて行く。
とにかくマーシーは帰ることになったんだ。
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