僕と彼女のビート
第2章 変化してゆく季節に
僕は家族と相談しながら一ヵ月ほど考えたあげく、結局中学を卒業するのと同時に仕事をすることにして、街を出ることとなった。
僕の年でいきなりの職探しは絶望的だったため、遠い親戚がやっている会社に頭を下げて入れてもらうことになったのだ。
僕の住んでいたのは本当に小さな街で、僕の行く先はそれとは比べものにならないくらいの都会だ。この国で一番人と物の集まる都市。
都会への距離は、それを北に伸ばすと海をまたいで隣の国に着いてしまうくらいの距離だ。
僕はマーシーにさよならを言わなくてはいけなかった。
僕たちは残りの日々を慈しんで過ごした。
マーシーは出発の日に僕を見送ると言い出した。
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