コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~
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発行者:風とケーナ
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2010/06/20
最終更新日:2012/01/07 14:20

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コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~ 第8章 雄々しき貴婦人
「よおし、じゃあ、やってみよう」

微笑み返して、コイユールは人通りの邪魔にならぬように、道の端の柔らかい草の上に少年と腰を下ろした。


「それじゃあ…」と、彼女は少年の瞳を優しく覗きこむ。

「これから私がこの手を君の傷口の近くに置いて、痛いのがなくなる魔法をかけるから、君はただ黙って目をつぶっていてね」

少年はキラキラと瞳を輝かせて、「うん!」と元気よく返事をした。


少年の物怖じしない様子にまた感心しながら、「じゃ、目を閉じてね」と促し、そっと少年の傷口の近くに手を添える。
自分も静かに瞳を閉じた。
そして、意識を少年の膝のあたりに集中する。




が、その時だった。

「おまえ、何をしている!!」

いきなり、険しく、太い、咎めるような男の声がした。




コイユールはハッと目を開いた。


目の前に、スペイン役人とおぼしき大柄な男たちが三人、険しい表情で立ちはだかっている。

彼女は、瞬時には、何が起こっているのかわからなかった。
だが、すかさず少年を背後に守るようにして、身構えた。


役人風の男たちは、二人の方にじわじわと近寄ってくる。
きつい酒の臭いがした。

コイユールは本能的に、強い危険を感じた。
少年をしっかりと背後にかくまいながら、息を殺して相手の出方に備える。



やがて男の一人が一歩踏み出して、コイユールを上から下まで眺めてから、居丈高な調子で言い放った。

「話は聞かせてもらった。
おまえだな。
あの、怪しげな治療とやらをやっている娘は」
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