コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~
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発行者:風とケーナ
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2010/06/20
最終更新日:2012/01/07 14:20

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コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~ 第6章 同盟者
そのままトゥパク・アマルはトーラの林の中に走り込んだ。


斧は強力だが、障害物が密集した状況では使えない。

トーラの木をなぎ倒し、斧を縦横無尽に振るいながら、アパサはトゥパク・アマルを繰り返し襲った。
が、もはや木々が邪魔をして、その威力は落ちていた。



アパサは、林に至るまでにトゥパク・アマルを仕留められなかったことを悔やんだ。
トゥパク・アマルは、とにかく身のこなしも足も不気味に速かった。

肩で息をしながら、アパサは苦笑した。
額から頬を汗が伝う。




その時だった。

アパサの斧をかわし、トーラの中を走るトゥパク・アマルがピタリと動きを止めた。


もともと長身のトゥパク・アマルの姿が、アパサの目には己に覆いかぶさる黒い影のごとくに見えた次の瞬間、トゥパク・アマルはそのまま斧を両手で右に振り上げ、アパサの首めがけて雷(いかずち)のごとく振り下ろしてきた。




あまりにも瞬間的な出来事だったが、さすがにアパサは敏捷に身をこなし、振り下ろされる斧を自らの斧で受け留めた――!



そのはずだった。

が、トゥパク・アマルは、アパサの首めがけて右上から振り下ろすかと見えたその戦斧を瞬時に左に振りきり、そのままアパサの左足めがけて振り下ろした。

アパサの宙空に構えた腕は虚しく空を切り、トゥパク・アマルの振り下ろした斧は、しかし、振り下ろすというよりも、ゆっくりとアパサの左足に当たった。


斧が「入る」というより「当たった」という程度だったが、互いに譲らぬ攻防戦の中で、それはトゥパク・アマルにとって有利なものだった。



恐らくトゥパク・アマルは敢えてゆっくりと当てた程度に留めたのだが、アパサの体はそのまま地に沈んでいった。
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