コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~
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発行者:風とケーナ
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2010/06/20
最終更新日:2012/01/07 14:20

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コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~ 第6章 同盟者
30代にさしかかったとはいえ、トゥパク・アマル自身も腕に覚えのある武者である。


アパサの眼差しは不遜ではあったが、ひどく真剣でもあることを、彼は見逃さなかった。
この先、命運を共にする相手として足る人物か、見極めんとの考えであろう。

このようなやり方が、人を見定める際のアパサ流なのに違いあるまい。
ここは受けて立つのが筋であろう。


しかも、上手く事を運べれば、かつての征服者インカへの復讐心に燃えるアパサの心を開くことにもつながるかもしれない。



トゥパク・アマルは横目で地形を確認した。
幸い、トーラの密集する林が近くにある。

彼は今にも噛み付いてきそうなアパサを見た。
猛将ときこえの高いその男の腕を、自ら見定めてみたい衝動も湧いてくる。


「わかった。
申し出に応じよう」


トゥパク・アマルの答えに、ビルカパサは驚愕してトゥパク・アマルに向き直った。
普段冷静なビルカパサでも、さすがに動揺を隠せないらしかった。

「トゥパク・アマル様!!
このようなところでお命を危険に晒すなど、あなた様らしくありません!
あのような者の挑発に乗られては――」


周りの護衛官たちもビルカパサに同意し、トゥパク・アマルを口々に制する。



トゥパク・アマルは「大丈夫だ」と言って上着を脱ぎ捨て、ビルカパサや他の者たちが止めるのをかきわけアパサの前に歩み出た。


アパサはニヤリと笑って、トゥパク・アマルを見た。
その目はやはり不遜ではあったが、先ほどとは少し色が変わり、無謀な申し出を受け入れた眼前の男、トゥパク・アマルへの肯定的な色合いが多少なりとも混ざっている。

トゥパク・アマルは、その目の色の変化に応えるように、彼自身もアパサへの礼を目で送った。




「誰も手出しをするな!!」

アパサは言い放つと、いきなり片手で握った戦斧を振り下ろしてきた。


トゥパク・アマルは素早く背後に飛んだ。


アパサの振り下ろした斧から生じた衝撃波は、まるで地面をえぐるような激しさでトゥパク・アマルの足元を揺るがした。

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