コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2010/06/20
最終更新日:2012/01/07 14:20

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コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~ 第6章 同盟者
今回の旅路は長く、危険を伴うものだった。

このティティカカ湖の周辺は、トゥパク・アマルの領地があるペルー副王領のはずれであり、むしろ隣接するラ・プラタ副王領に属する地域であった。


この18世紀の時代、あまりに広大なかつてのインカ帝国は、スペイン人によって幾つかの副王領に分割統治されていた。

トゥパク・アマルらのいる「ペルー副王領(首府リマ)」のほか、「ラ・プラタ副王領(首府ブエノス・アイレス)」、「新グラナダ副王領(首府ボゴター)」があった。

(c)graphicmaps.com


スペイン人の圧制に喘いでいたのは、トゥパク・アマルらのいるペルー副王領のインカ族の人々だけではなかったのだ。


他の副王領でも、無数のインカ族の人々が、そして、混血児や黒人たちが、あるいは、当地生まれの白人たちが、スペイン渡来の白人たちによって苦しめられていた。
トゥパク・アマルはそれらの地域の人々にも、当然ながら目を向けていた。



それ故、今回の旅は、ラ・プラタ副王領のインカ族に対して影響力をもつ豪族フリアン・アパサに会うことが目的だった。
アパサも表向きはトゥパク・アマルと同様に商売を行っており、コカや服地などを商って遠方までしばしば旅をし、インカ族の間で顔も広かった。


この時、トゥパク・アマルはこのアパサなる人物との面識はまだなかったが、彼のこの地域での影響力を考慮すると、手を携えるべき重要な人物には違いなかった。
アパサの協力を得られれば、このラ・プラタ副王領で苦境に喘ぐ人々を解放するための大きな要(かなめ)となるはずだ。




それにしても、アパサに関する噂は、その評価が非常にまちまちであった。

アパサの右に出る猛将はいないと絶賛する者もいれば、卑しく、ずるく、獰猛な人間であるという悪評判もあった。



フリアン・アパサ――果たして、いかなる人物なのか。


トゥパク・アマルは、間もなく会えるであろうその人物に思いを馳せた。
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