コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2010/06/20
最終更新日:2012/01/07 14:20

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コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~ 第5章 胎動
こうして、インカの民の復権に向けた反乱準備が、極秘裏に進みはじめたのだった。


限られた地域だけで武力蜂起するだけでは、単なる焼け石に水である。
火器が無く、武装面で著しく劣るインカ側にとって、この国を揺るがす反乱に発展させるためには、何よりも心を一つにし、あらゆる地域での一斉蜂起が不可欠だ。



この時のために、これまでトゥパク・アマルは商売という名目で多数のラバを飼い、大規模な商隊を組んできたのだった。

今、そのことが真の意味で役立つ時がきたのだ。

反乱準備を極秘裏に進める上で、商隊を装えたことは、スペイン側からの嫌疑を免れるためには非常に好都合であった。





かくして、その周到な反乱準備のためには、ここからさらに数年間の期間を要することになるのである。


トゥパク・アマルは、これまで通り商隊を率いてラバと共に荷を輸送しながら、ティンタ郡からはるかに離れた地域まで自ら足を運んだ。
そして、志を同じくするインカ族の者たちに直に会い、自らの胸の内を語り、相手の思いを熱心に聴き、固く手を結んでいった。


それは決して反乱に巻き込むための策略ではなかった。

そのような単なる巻き込み作戦では、何年先になるかわからぬ反乱に向けての意志を維持させることなど不可能であったろうし、早晩、裏切り者の出現によってトゥパク・アマルはスペインの役人に売られてしまっていたであろう。


しかし、そのようなことのなかったことは、歴史が証明している。



彼らは「その日」に向けて、真の意味で心を一つにしていったのである。
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