コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2010/06/20
最終更新日:2012/01/07 14:20

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コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~ 第4章 皇帝の末裔
さらにマルセラの話を要約すると、4年ほど前の1770年、トゥパク・アマルは自ら首府リマのアウディエンシア(最高司法院)に訴え、自らがインカ皇帝の直系の子孫であることを認めさせようとした。


そして、調査によっても、資料によっても、インカ皇帝の血統であるという事実を否定しきれなかったスペイン側は、「トゥパク・アマルがインカ皇帝の子孫である」ことを渋々ながら正式に認めた。



話は細かくなるが、先に説明したスペイン征服の初期の時代に副王トレドの命令により命を奪われたフェリペ・トゥパク・アマルは「トゥパク・アマル1世」、現存のトゥパク・アマル――つまり今この館にいる人物だが――は、正確には「トゥパク・アマル2世」である。



しかしながら、トゥパク・アマル2世(当物語では、「トゥパク・アマル」と略記)はインカ皇帝の直系の子孫であることを承認はされたものの、インカ皇帝を意味する『インカ(=ケチュア語で「皇帝」の意味)』という称号を用いることは厳重に禁じられていた。

スペイン側は、トゥパク・アマルが『インカ』を名乗ることによってインカ皇帝の復活という認識がインカ族の間で芽生え、彼らの自立への意識が高揚し、ひいては反乱が勃発することを深く恐れていたのであった。




ちなみに、アンドレスの叔父ディエゴは、トゥパク・アマルの父親ミゲルの弟の長男で、つまり、トゥパク・アマルとディエゴは従兄弟同士の関係であった。

従って、アンドレスはトゥパク・アマルにとって、甥という関係になる。





コイユールは眩暈を覚え、言葉も出ぬままにマルセラに曖昧に一礼して、おぼつかぬ足取りで戸口へ向かった。

とにかく、頭を冷やさなければ……。
足が床から浮き上がっているような感覚がする。


それでも、何とか歩いて、庭に出た。
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