コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2010/06/20
最終更新日:2012/01/07 14:20

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コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~ 第4章 皇帝の末裔
コイユールは、むしろ自分と同じ年頃の少女の存在に安堵して、ホッと吐息をついた。

「私、コイユールっていいます。
アンドレスの友達で、今日、呼んでもらって来たんです」


すると、少女はいきなり後ろに跳びすさった。

「えっ?!
アンドレス様の?
アンドレス様の?!」

あわわと、しばらくコイユールの顔を穴のあくほど見つめている。


コイユールは何となく決まり悪くなって、炊事場に戻ろうとした。


「ちょっと、待って!」

少女がすかさず呼び止める。

「あたしは、マルセラ。
あそこの中にいた、目の吊り上がった怖そ~なオジサンいたでしょ。
鷲鼻のっ!」

コイユールは、アンドレスと叔父を仲介してくれた人物のことを思い出した。

「あたしは、あの人の親類。
時々そのオジ様に連れてきてもらってるの」

コイユールは何となく事情が分かって、頷いた。



マルセラと名乗った少女は、改めてコイユールをまじまじと見た。

「あんたみたいな平民の子が、アンドレス様と友達なんて驚き!」

「アンドレスは、平民とか、貴族とか、そんなこと区別しない人よ」

コイユールは、アンドレスを弁護するようにきっぱりと言い返す。


「そ、そうなの?!
やっぱり?!」

マルセラは、今さらながらという感じで、目を丸くした。


「いやぁ、あたしは、なんだか気安く話しかけちゃいけないような気がしちゃって。
近寄れなかったんだ。
あ!
あたしも一応、貴族の出なのよ。
でも、なんたって、アンドレス様は皇帝陛下の甥だもんね。
とてもとても、一介の貴族のあたしなんか」

少女は、両手で降参のポーズをとってみせた。



コイユールは耳を疑った。

「アンドレスが誰ですって?」

「は?」

「皇帝陛下って?」



マルセラは、ポカンとしてコイユールを見つめた。

「あんた、まさか、知らなかったの?」


コイユールは、マルセラに向けた顔を動かせなかった。




マルセラはいきなりコイユールの肩をひっつかみ、柱の陰に引っ張って行った。
そして、もう一度、コイユールの全身を頭から足の爪先まで眺め渡してから、深々と溜息をつく。

「あんた、そんなこと、この場所で言ったら、ほんとヤバイよ!」


コイユールは目を瞬かせた。



「アンドレス様は、トゥパク・アマル様の甥。
つまり、インカ皇帝のお血筋をひくお方なんだよ!」
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