コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~
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発行者:風とケーナ
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2010/06/20
最終更新日:2012/01/07 14:20

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コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~ 第17章 苦杯
(コイユール…!!)

ジェロニモはコイユールの傍に走り寄って跪くと、呼吸の状態を確かめる。

死んでいるのでも何でもなく、単に眠りに落ちているだけだと分かると、ホッと胸を撫で下ろした。


「何だよ…ったく、人騒がせだナ」

とはいえ、完全に意識が飛んだ状態で、しかも、顔面蒼白にして、泥にまみれた悲痛な表情のまま倒れている姿は、やはり尋常を超えている。


「コイユール、起きろ!
こんなところで寝てると、カゼひくぞ!」

呼びかけながらコイユールの肩に手をかけ、その体を揺すってみる。

しかし、なかなか反応が無い。


「コイユール!!」

ジェロニモは、さらにコイユールを揺すってみる。


すると、やっとコイユールは薄く目を開けて、焦点の危うい瞳でボンヤリと宙を見た。

そして、消え入りそうな声で呟いた。

「…ア…――アンドレス…?」

「…!!」


ジェロニモが言葉を失っている先で、傍で見ていた黒人兵が、憮然とした声を張り上げる。

「え?!
アンドレスって、あの連隊将のアンドレス様のこと?!
まさか…アンドレス様を呼び捨てにしたぞ!!
なんなんだ、この女?!」

「シッ!!
このことは、誰にも黙っとけ!」


きつい口調で相手を制すると、ジェロニモは、いっそう強く力を込めてコイユールの体を揺すった。

「おい!!
起きろ!!
しっかりするんだ、コイユール!!」


そのままムズと両腕を掴み、コイユールの上半身を無理矢理に起こした。

やっとコイユールが朦朧としながらも、その意識を取り戻す。

「え…?
ジェロニモ…?
あ…やだ、私……!」


次第に昨夜の記憶が戻ってくる。

(あのまま草の上で眠ってしまったんだわ…!)
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