コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~
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発行者:風とケーナ
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2010/06/20
最終更新日:2012/01/07 14:20

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コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~ 第3章 邂逅
その時だった。


廊下をドカドカと歩いてくる大きな足音が鳴り響き、部屋のドアに力強いノックが聞こえた。

「おい!!
アンドレス、いるか?
入るぞ!!」


アンドレスが答える間もなく、はじけるように勢い良くドアが開け放たれる。
そして、黒い巨大な塊が飛び込んできたかと思いきや、それは一人のインカ族の男であった。


隆々たる筋骨の逞しい、ガッシリとした、見上げるような大男である。
年の頃は30歳前後だろうか。
褐色の顔に立派な髭をたくわえ、一見いかにも荒々しい印象を与える。
しかし、その風貌には、どことなく風格があった。


「おお!!
アンドレス、戻ったか!」

その声も、いちいちでかかった。


不意をつかれたように、アンドレスはそちらを振り返る。



男は目を見張っているコイユールに、はたと気付き、一瞬、彼も目を丸くしたが、すぐに茶目っ気のあるウィンクを彼女に送ってきた。

「なんだ、アンドレス!
おまえ、いつのまにこんな彼女…」

「そ、そんなんじゃ…ないんです、叔父上!」

アンドレスがすかさず遮ったが、男は冷やかすようにニンマリ笑って、ズカズカと部屋に入ってきた。

「まあ、そう隠すな。
みずくさい」


「いえ、本当に、普通の友達なんです」

コイユールが急いで弁明すると、アンドレスもうんうんと必要以上に頷いた。
が、すっかり耳が赤くなっている。

男はガハハと豪快に笑い、腕を組んで二人をかわるがわるに見渡した。

「わかった、わかった。
まあ、いいさ」



そして、アンドレスの方に近づき、その肩に、岩の塊のようなゴツゴツした筋肉質の手を置いた。

「アンドレス、元気そうでよかった!!
今日、クスコから戻ると聞いて、来てみたんだ」

男の手の重量感が、アンドレスの肩にずっしりと伝わってくる。


アンドレスも平静を取り戻し、笑顔で大男を見上げた。

「叔父上、お会いしたかった!」

「おお、そうか、そうか!」

男は笑顔でアンドレスの肩を満足気にバンバンと叩き、それから、近くにあった椅子に、ドッカと、腰掛けた。


椅子が床に沈むのではないかと、内心ハラハラしながら、コイユールがその様子を見守る。
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