コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~
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発行者:風とケーナ
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2010/06/20
最終更新日:2012/01/07 14:20

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コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~ 第15章 使者
堰切ったように言いながら、アンドレスは、思わず、むせ返る。

しかし、すぐにまた険しい顔で、いっそうマルセラに詰め寄った。

「君の命が…マルセラ…君は、殺されるかもしれないんだぞ!!

トゥパク・アマル様も、今度ばかりは正気の沙汰とは思えない。
君を一人で行かせるなんて…!

君を行かすくらいならば、本当に、俺が……!!」


アンドレスの言葉に、覚悟を決めたはずの瞳が再び揺れだしたマルセラの横顔を見て取るなり、ビルカパサが素早く二人の間に割って入る。

「アンドレス様、あなた様が単身クスコなどに行こうものなら、どのような目に合わされるか、火を見るよりも明らか。

あなた様が、トゥパク・アマル様の近しいお血筋であることなど、クスコの役人たちは、とうに調べ上げているはずです。
しかも、あなた様の前線での戦いぶりも、知れ渡っている。

そんなあなた様がむざむざ使者として出向こうものなら、虐殺はもとより、生け捕りにされ、人質にされ、いいように利用されるのが関の山。

そんなことになろうものなら、ここまでトゥパク・アマル様やあなた様が慎重に進めてこられた反乱計画のすべてが水泡に帰すのです」

礼を込めながらも、厳然たる眼光で語るビルカパサの声は、冷徹そのものだった。



だが、アンドレスも引き下がらない。

「ビルカパサ殿!
あなたが今、言ったのと、それと同じ危険がマルセラにも起こりえるのです!!

ましてや、マルセラは、女性なのです。
あのような悪鬼のごとくスペイン役人たちの中に、マルセラを一人放り込むなど…どのような酷い目に合わされるか、それこそ想像するだけで身震いが起こります。

俺は、そのようなこと、絶対に容認できません!!
俺から、トゥパク・アマル様に、お考え直しを進言いたします!!」
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