コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2010/06/20
最終更新日:2012/01/07 14:20

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コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~ 第14章 忍び寄る魔
かくして、首府リマに反乱の情報が伝わってから4日後の11月28日には、大至急、体制を整えた第一分隊が、援軍としてクスコに向けてリマを発った。


さらに、サンガララでのスペイン軍完敗の知らせがリマに伝わった12月14日、血相を変えた副王ハウレギの命により、いっそう強化された第二分隊が組織され、早急に進軍を開始。


その後を追うように、バリェ将軍自身が第三分隊を率いてリマを後にし、さらに、間髪入れず、アレッチェ率いる主力部隊が、多数の銃や大砲を携えてクスコへ出立した。

これらスペイン側の援軍は、全体で数万人の規模に及ぶ。


実は、アレッチェの主力部隊には、ある特別な秘密があった。

それこそ、まさしくトゥパク・アマル率いる反乱軍必殺の「秘密兵器」とも呼び得るものであった。

こうして、いよいよ牙城クスコでの本格的な戦闘が、目前に迫り来ていたのだ。


ただし、首府リマからクスコまでの道程は、最短でも10日間を要する。

進軍中の馬上で、アレッチェは太い眉をひそめた。

冷酷なその目がギラリと光る。


己の率いる討伐隊の主力となる軍隊がクスコに到着するのは、どれほど早くとも年明け1月の上旬にはなるであろう。

ほどなくトゥパク・アマルがクスコを襲った場合、果たして、クスコの戦力がどれほど持ち堪えてくれるものか。

(反乱軍がクスコを陥落させるまでに、何としても我が援軍を間に合わせねばならぬ!!)



陣頭に立つアレッチェは、遥か牙城クスコの方角指して、執念に満ち満ちた横顔を向けた。

黒々とした目の中に、あの憎んでも憎みきれぬインディオの長、トゥパク・アマルを映し出して。


たかがインディオの分際で、スペイン王に盾突き、野蛮で未開なこの植民地の秩序を維持してきたスペイン人役人たちの治世を悉く否定した、あのインディオ、トゥパク・アマル。

いかなる手段を取ろうとも、この侮辱の極み、必ずや晴らしてみせる。

そう、トゥパク・アマル、おまえを、そして一族を、一人も漏らさずあの処刑台に送ってやる!!


その時こそ、インカ帝国の完璧なる終焉になるであろう――!!

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