コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~
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発行者:風とケーナ
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2010/06/20
最終更新日:2012/01/07 14:20

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コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~ 第14章 忍び寄る魔
「今回の反乱は、明らかに、中央からの指令を受けて、時を合わせ、計画的に行われたものに相違あるまい。

相当な長期に渡って周到に準備が為されてこなければ、このような短期間に、これほどの規模で反乱を展開するなど不可能なことだ。

バリェ将軍、あなたもこの後、あの男のことを熟知していなければ、我らが苦労して築き上げてきた植民地支配体制を真に瓦解せしめられてしまいますぞ」

黒々とした前髪から覗くアレッチェの目は、遠くの宿敵を射抜くがごとくに冷酷に光った。


「あの男とは…?」

アレッチェの様子に、やや気圧された感のバリェが、低い声で問う。


「この反乱の首謀者、トゥパク・アマル」

短く答えたアレッチェの鋭利な横顔には、もはや押さえきれぬ激しい憎悪と憤怒の炎が燃え上がる。

それと共に、然るべき時の訪れに、興奮にも似た感情がにわかに高まりゆくのを抑えることができなかった。


アレッチェの口の端が、不気味な弧を描きながら吊り上る。

(実際、トゥパク・アマルよ、よくぞここまで華々しくやってくれたものだ。

だが、おまえにも忠告した通り、我らスペイン側は、これでインカ(皇帝)一族を合法的に淘汰する正当な理由を得たことになるのだ)



アレッチェは、眼前のバリェを見据えた。

「バリェ将軍、即刻、副王陛下の元に非常時委員会を招集し、あのトゥパク・アマルを徹底的に叩き潰すべく計略を練らねばなるまい」


バリェも、厳しい軍人の顔に戻って、力強く頷いた。
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