コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~
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発行者:風とケーナ
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2010/06/20
最終更新日:2012/01/07 14:20

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コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~ 第14章 忍び寄る魔
姿を見せたのは、猛り狂った獅子のごとき厳めしい形相をした、筋肉の塊のようなスペイン人の大男だった。

年齢的には中年にさしかかる頃だが、立派な黒々とした顎鬚をたくわえた、威風堂々たる精気漲る風貌である。

身なりは高位のスペイン軍人の服装で、胸元には、所狭しとばかりに無数の勲章が輝いていた。


「アレッチェ殿!!」

男は非常に険しい形相のまま、肩をいからせながらズカズカと執務室の中に乗り込んで来る。


「これは、バリェ将軍」

アレッチェもまた鋭利な面差しで、バリェと呼んだその男を、やや細めた目で鬱陶しげに見る。

おまえが何を言いに来たかを既に知っている、という辟易した目の色である。


そのようなアレッチェの表情に、いっそう鼻息を荒げ、バリェは攻め入るような厳しい視線を相手に投げた。

「アレッチェ殿!
此度の反乱のこと、いかにお考えか。
そもそも、こうした事態を招かぬために、あなたのような植民地巡察官がいるのではないのか?!」


暑苦しいまでに詰め寄ってくるバリェ将軍を肩でいなすようにしながら、アレッチェは冷ややかな視線を返す。

「確かに、このような事態を招いた責任は感じております」

そう口先では言っているが、この自分でさえ見抜けぬものを他の誰が見抜けようか、ましてや首謀者はあのトゥパク・アマル――簡単に見破られるような反乱準備など行おうはずがなく、もはや事前に察知することなど不可能なことだったのだと、その目は開き直った不遜な光を放つ。

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