コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~
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発行者:風とケーナ
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2010/06/20
最終更新日:2012/01/07 14:20

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コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~ 第14章 忍び寄る魔
アレッチェは植民地全権巡察官としての職能を総動員して、すぐさま各地に伝令を放ち、インカ軍の状況に関して集められるだけの情報を掻き集めた。

そして、強い緊迫感を滲ませ、切り裂くような鋭い眼差しで、伝令の報告を聞きただす。

「被害状況はどのようになっているのだ。
トゥパク・アマルが占領した地は、一体、どことどこか?」

「それが…」

伝令たちは、すっかり青ざめて、言葉に詰まりながら返答する。


アレッチェの険しく射抜くような眼光に、伝令たちはいっそう蒼白になりながら、恐る恐る報告する。

「お…畏れながら、申し上げます。
今や、ペルー副王領南部地域のほぼ全土、隣国ラ・プラタ副王領の北東部、他にもチリのアリカ、ボリビアの高地、さらにはエクアドル、コロンビアにまで火の手が上がっております!!」


アレッチェは一瞬、己の耳を疑った。


まさかこのような短期間で、そのような複数の遠隔地にまで反乱が伝播しているなど、絶対に有り得ぬことだった。



「そんなはずはあるまい。
正確な情報を調べ直すのだ!!」

アレッチェの鬼気迫る形相に部下たちは震え上がりながらも、「事実でございます。間違いございませぬ」と、口々に返答する。


「なんと……」

わななき驚愕した眼でアレッチェは言葉を呑んだまま、暫し呆然と宙を見据えて固まった。




冷静を装い握り締めたその拳が、わなわなと震え始める。

改めて襲いくる非常な驚愕と混乱を止められなかったのだ。
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