コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~
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発行者:風とケーナ
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2010/06/20
最終更新日:2012/01/07 14:20

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コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~ 第3章 邂逅
彼女が振り向くと、そこには一人の混血児の少年が朗らかな笑顔で立っていた。


「アンドレス!」

コイユールからも笑顔がこぼれる。



インカ族のフェリパ夫人とスペイン人の神父との間に生まれたこの少年は、混血児だけあって美少年で、肌の色は褐色がかってはいたがコイユールよりもずっと柔らかい色だった。

髪も彼女と同様に黒髪だったが、もっと茶色っぽい明るい色をしていた。
インカ族特有の精悍さと、スペイン人のもつ華やかさとを兼ね備えた雰囲気がある。


そして、もう一つ、これは人種とは関係のないものだが、その少年には光をまとったような明るさ、というか、輝きがあった。
それは単に人柄の朗らかさとかそういったことだけでは説明をしにくいもので、何が、ということを表現することは難しいのだが、この暗い時代を払拭するような、そんな、何か、を感じさせる雰囲気をもっていた。




少年は、爽やかな緑色の西洋風なシャツにインカ風の緑色の短マントをつけ、腰には鮮やかな赤色の帯をしめている。
その帯には、スペイン軍の紋章が飾られていた。


自然なウェーブが軽くかかった黒髪は直毛の多いインカ族とはおもむきが異なるが、その髪はインカの少年らしく肩のあたりですっきりと切りそろえられている。

そして、大きな鞄と数冊の書物を手にしていた。
書物の背表紙には、スペイン語と思われる文字が見えている。



コイユールは懐かしそうに少年を見つめた。
アンドレスと会うのは、半年ぶりだ。

「アンドレス、なんだか大人っぽくなったわ」


目を細めるコイユールに、少年は少し頬を赤らめて、サッと視線をずらした。

「コイユールは、全然変わらないな」


「もう!
なにそれ、失礼ね」

コイユールはわざと口を尖らせて見せてから、思わず吹き出した。


つられるようにアンドレスも笑い出し、それから、二人は互いの目を改めて見返した。
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