コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~
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発行者:風とケーナ
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2010/06/20
最終更新日:2012/01/07 14:20

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コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~ 第3章 邂逅
翌日、畑の仕事を少し早めに切り上げて、コイユールはいそいそとフェリパ夫人の館に向かった。


館は集落の中心部にあり、コイユールの住む閑散とした畑地から歩いて30分ほど離れたところだった。
館のあるこの辺りまで来るとスペイン風の洋館なども点在しており、異国情緒が漂っている。


集落の中心にはスペイン人によって築かれたキリスト教会があり、教会の周りには富裕層が利用する商店が数件並び、それを圧倒する勢いで露天が連なっていた。

けっこうな賑わいである。




また、その界隈では、いろいろな人種を見ることができた。

一番多いのは、もちろん褐色のインカ族の人々だが、それ以外にも、インカ族とスペイン人との間に生まれた混血児、そして、当然のように白人がおり、さらには、黒人もいた。

それらの人種の差は、この国の階級にそのまま反映されており、この物語にとっても、おいおい重要な部分になってくるため、少々触れておきたい。



現在のこの国の階級は、5つに分かれている。

それは、ヨーロッパからやってきたスペイン人、ペルー生まれのスペイン人で『クリオーリョ』と呼ばれる人々、混血児、『インディオ』と呼ばれるインカ族の人々、そして、黒人である。

ちなみに、この18世紀末の人口は、上の順に、おおよそ30万(スペイン人)、300万(クリオーリョ)、500万(混血児)、700万(インカ族)、80万(黒人)であった.。


スペイン生まれの白人は、副王、総督、代官などの役職、大司教、司教をはじめとする高位の僧職、有力な商業を独占していた。
もちろん、大勢の貧しい者たちもいたが、職業や貧富の如何に関わらず、自分たちがスペイン本国の生まれであるということに、非常に高いプライドを持っていた。


一方、ペルー生まれの白人(クリオーリョ)は同じ白人であるにも関わらず、単に植民地生まれであるという理由だけで、スペイン生まれの白人たちからひどく蔑視され、階級もずっと低かった。

彼らは政府や教会の端役につくのがせいぜいで、あとは気ままに遊び暮らしているような状態であった。


なお、武器と馬を所有、あるいは使用することができたのは、これら白人だけである。
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