コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~
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発行者:風とケーナ
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2010/06/20
最終更新日:2012/01/07 14:20

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コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~ 第12章 進軍
マルセラは、また難しい表情をつくった。

「あんたが叔父様の連隊に加わってること、私、ずいぶん前にアンドレス様に伝えたんだけど」


コイユールは息を呑んだ。

それじゃ、アンドレスは、自分がここにいることを知っているのだ…――!!

鼓動が、にわかに速まっていく。



マルセラは再びコイユールを見て、「アンドレス様も、いくら忙しいからって、ちょっとくらい、あんたに会いに来てもいいはずじゃない?」と、訝しそうに首をかしげた。

マルセラは、コイユールが義勇兵に加わっていることを伝えた時、アンドレスが確かに嬉しそうにしていたと感じていただけに、いっそう首をひねった。


もちろん、アンドレスに対して己自身も特別な感情を抱くマルセラにとって、あの時、コイユールのことを知った彼の過剰な反応に複雑な心境を抱いたことは事実だった。

だが、竹を割ったような性格のマルセラは、嫉妬のような感情を抱くタイプではなかった。

事実は事実として受け留める、そうした潔さを備えていた。



ただ、マルセラ自身も、まだこの時は、コイユールの気持ちも、アンドレスの気持ちも、よく分かってはいなかった。

そのため、マルセラは、ただ純粋に思うがままを口にした。

「だって、あんただって、もう何年も会ってないんでしょ。
以前は、あんなに仲良さそうだったじゃない。
せっかく、今、こんなに近くにいるのにさ」


コイユールは自分でも説明しきれぬ動揺を覚えながら、マルセラの言葉の一つ一つに、その胸はひどく痛んでいた。
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