コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~
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発行者:風とケーナ
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2010/06/20
最終更新日:2012/01/07 14:20

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コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~ 第12章 進軍
ハッと目を見開いて声の主を振り返るコイユールの瞳の中で、すっかり隊長補佐の役割が板についたマルセラの変わらぬ闊達な笑顔があった。

コイユールも安堵を覚え、微笑み返す。


自分の隣に並んで夕空を見上げたマルセラに、コイユールが問いかける。

「キキハナの代官は、捕まえられそうなのかしら?
それとも、反乱のこと、クスコに知られてしまうのかしら?」


マルセラはやや難しい目をして、「まだ、代官は捕まっていないらしいけど…」と答える。

「だけど、いずれにしろ、スペイン側に知られるのは時間の問題だったし、ね。
どのみち討伐軍と戦うことになるのは、トゥパク・アマル様もはじめから計算に入れてのことだから。
だって、そのために、あんなに何年間もかけて同盟者を増やして、準備してきたのだもの!」

そして、ビルカパサ似のその凛々しい面差しでコイユールを見つめ、力強く微笑んだ。

「あんたが、そんなに心配しなくって大丈夫よ」


コイユールは、頼もしげな友の瞳に深く頷き返した。

この短期間に、マルセラはインカ軍の一人の幹部として急速に成長しつつあるのだと、改めて感じる。



「それより…」と、マルセラは、少々ためらいがちな声音に変わって、コイユールをしげしげと眺めた。

「コイユール、アンドレス様と会った?」


いきなりマルセラの口から「アンドレス」の名前が出て、コイユールは口から心臓が飛び出しそうになるほどドキンとして、身をすくめた。

それから、小さく首を振る。
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