コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~
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発行者:風とケーナ
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2010/06/20
最終更新日:2012/01/07 14:20

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コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~ 第12章 進軍
月明かりの下、遠目から見るコイユールの姿は、女性らしさを増したとはいえ、髪型も服装も雰囲気も、印象はあまり以前と変わらない。

3年ぶりに見るその姿に、アンドレスの胸は熱くなった。


(コイユールは、昔から、あまり変わらないな)

アンドレスは目を細めながら、心の中でそっと呟き、そして、静かに微笑んだ。




深い懐かしさのためだろうか、何故か、心がすっと和んでいく。

この数日、いや数年の間に起こり続けてきた緊迫した出来事の数々が、まるで夢のようにさえ思えてくる。



そんな彼の視界の中で、自分の手にした武器に弄ばれるようにして地面に転ぶコイユールの姿が映る。


アンドレスは、眉をひそめた。

(まさか、戦線に出るつもりではないだろうな)





「アンドレス様。
そろそろ兵たちに就寝の準備をさせねばならぬ時間です。
どうか、ご指示を――」

不意に鋭い声で背後から呼びかけられ、一瞬、アンドレスは身を縮めた。


振り返ると、いつからそこにいたのか、ビルカパサが、やや厳しい面持ちでこちらを見ている。

アンドレスは、瞬時に、現実に引き戻された。


そして、自分の反応に己の隙の大きさを見て取ると、決まり悪さから相手を直視できぬまま、「分かりました。すぐに行きます」と、急ぎ足でその場を後にした。
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