コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~
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発行者:風とケーナ
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2010/06/20
最終更新日:2012/01/07 14:20

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コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~ 第12章 進軍
一方、その頃、コイユールたち義勇兵は、今後の戦闘に向けてインカ軍の専門兵から訓練を受けていた。


コイユールは生まれて初めての棍棒なるものを両手で握り締め、おぼつかぬ手つきで悪戦苦闘している。

そんな彼女の隣では、持参した斧の振り方を練習していた黒人青年ジェロニモが、心配そうな視線を向けていた。


華奢なコイユールには、棍棒を持ち上げていることすら、ひどく難儀に見える。

振ろうとしようものなら、はっきり言って、彼女の方が明らかに棍棒に振り回されていると言った方が正解だった。




最初は、指導の飲み込みが早いジェロニモが、コイユールに二次的に教えていたものの、さすがに気のいい彼にも、どうもそうした次元ではないと思えてくる。

「なぁ、コイユール。
無理しないで、もっと別の方法で手伝えばいいんじゃないかな」


コイユールは額にいっぱいの汗を浮かべながら、小さく溜息をつく。

そして、既に疲労からなのか何なのか、ぼんやりとした視線で、相手を見上げた。

「ううん。
できるようになりたいの!」


「それなら、別に、止めないけどサ。
ただ、はじめっから、あんまり無理しない方がいいって思うよ。
何せ、先は長いンだから」


「あ…そうよね」

肩で激しく息をしながら、コイユールは頷き、意識して明るい笑顔を返した。



が、心の中では、何かに惑う己の気配に怯んでいた。

改めて、己の手の中にある鈍器の感触を確かめる。

(これで、人を打つ…叩く…殺すのね)
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