コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~
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発行者:風とケーナ
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2010/06/20
最終更新日:2012/01/07 14:20

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コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~ 第12章 進軍
息を切らしながら広場に着くと、コイユールは改めて息を呑んだ。


斧や棍棒などの自弁の武器、あるいは武器になりそうな農具を手にした無数の村民が集まっている。

皆、興奮と緊張を滲ませた表情で、しかし、これまで村でみかけていた頃の人々の表情とは全く別の、己の魂を吹き返したような生き生きとした人間の顔をしている。


コイユールはそれら広場の人々皆が、とても眩しく思え、自らも胸の鼓動が熱く高まるのを感じた。


集う人種も、インカ族はもちろん、混血の者、当地生まれと思われるスペイン人、そして、少数ながらもジェロニモのような黒人もいる。

性別的には、やはり男性が圧倒的に多いが、女性の姿もちらほら見ることができた。


そして、集まった義勇兵志願の民衆を守るように、訓練された数百名の専門兵たちが広場の周辺を悄然と取り囲んでいる。



さらにコイユールが驚いたのは、これだけの大規模な人々の集まりにもかかわらず、広場の中はきわめて整然と規律が保たれていたことであった。


広場の入り口では、インカ軍の専門兵たちが、広場に続々と押し寄せる村人たちを台帳のようなものに登録しながら、幾つかの集団に手際よく振り分けている。

また、武器を持たぬ者には、予めインカ軍が用意していたらしき棍棒や戦斧などの武器を手渡していた。


それを見て、ジェロニモがコイユールを軽く小突き、「良かったね」と、あの茶目っ気たっぷりの視線で合図を送ってくる。

コイユールも素直に頷く。




その時、背後から、よく通る凛とした女性の声が響いた。

「コイユール!!」


コイユールが振り向くと同時に、艶やかな黒馬に跨ったマルセラが、二人の前に勢い良く回り込んだ。
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