コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2010/06/20
最終更新日:2012/01/07 14:20

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コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~ 第2章 ビラコチャの神殿
実際、インカ帝国が征服されて以来、インカ族の人々は征服者によって酷使され続けていた。


スペイン生まれの白人たちは、土着のインカ族の人々を「インディオ」と呼び、激しく蔑視した。

その人種的偏見は、実に甚だしいものであった。
被征服下の人々は、人としてまともに扱われていなかったと言っていい。



過酷な税の取立て、農産物の一方的な安い買いつけ、水利権の剥奪、織物工場や鉱山での想像を絶する過酷な強制労働など、彼らの苦しみの種は尽きることがなかった。
しかも、納めなければならない税の種類もその額も、尋常ならざるものだった。

まず、スペイン王には生産物の5分の1を税として納めなければならなかった。
その他にも、教会に納める10分の1税、不動産税、貿易税、印紙税、売上税など上げればきりがなく、正直に納めていたら手元に何も残るはずはなかった。


それほどの窮状を知りながらも、土地の代官に任命されたスペイン人たちは、さらに搾取を重ね、彼らの上役人の目をかすめて違法な二重課税を公然と行っていた。
そして、二重に奪い取った税を、自らの懐に収め、私腹を肥やした。

上役人はもちろんそのことを知っていたが、それを戒めるどころか、当然のことのように代官の悪行を黙認していた。



そんなインカの人々の遭遇した苦しみの中で、最大のものは「ミタ(強制労働)」であろう。
ミタはもともとインカ帝国の制度で、公共事業のために人民を賦役に出すことであった。

スペインはこの制度を悪用し、植民地の経済開発の一つの要石とした。


もともとのインカの法では、15日間の家事労働のミタ、3~4ヶ月の牧場でのミタ、10ヶ月間の鉱山でのミタが定められており、彼らは仕事に応じて給料をもらえるはずであった。
また、ミタに出なければならないのは、全人口の7パーセントにすぎなかった。

だが、そのような緩やかな規則は、この時代には通用しなかった。
被征服下のこの時代には、「ミタ」とは主に鉱山での奴隷的な強制労働を意味した。



かつて栄華を誇ったインカの地は今やスペイン王の持ち物の一部とみなされ、この地の民もまた、スペイン王の所有物の一部にすぎなかったのだ。
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