コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~
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発行者:風とケーナ
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2010/06/20
最終更新日:2012/01/07 14:20

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コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~ 第12章 進軍
見えやすいように三人の中央の床にサーベルを置くと、少年たちは恍惚とした表情で喰い入るように見入る。


長男のイポーリトが、眩しそうな目をして、思わず吐息を漏らした。

「なんて綺麗で強そうな剣なのだろう…!
父上だって、こんなにすごい剣は持っていないのに」


他の二人も幾度も頷きながら、次男のマリアノが利発そうな瞳をアンドレスに向ける。

「アンドレス、このサーベルは、どこで手にいれたの?」


アンドレスは優しい眼差しで答える。

「俺に武術を教えてくださった方から戴いたのです」

不意にアパサのことが思い出され、熱いものが込み上げる。




その時、サーベルを囲む四人の若者たちの輪の中に、いつの間にか広間に戻っていたトゥパク・アマルがスッと入ってきた。

サーベルを前にして、子どもたちの目の高さに合わせて跪いているアンドレスの隣の床に、トゥパク・アマルも共に跪く。


「父上!!」

少年たちが、嬉しそうな声を上げた。


トゥパク・アマルは息子たちに微笑み返してから、自らも輝くような瞳で、そのサーベルを見つめた。



「確かに、見事なサーベルだ。
これはアパサ殿から?」


アンドレスはしっかりと頷きながら、「はい!」と力強く応える。



「アパサ殿は、厳しい師であったろう」

トゥパク・アマルは静かな笑みを湛えた眼差しで、アンドレスを見る。


アンドレスは再び「はい」と応え、それから、「そして、本当に素晴らしい師でした」と、トゥパク・アマルの目に深く礼を払った。

「アパサ殿の元に行かせて頂けたこと、生涯無二の宝と感じます」


アンドレスの言葉に、トゥパク・アマルはその目を細め、黙って深く頷いた。
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