コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~
コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~
アフィリエイトOK
発行者:風とケーナ
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2010/06/20
最終更新日:2012/01/07 14:20

アフィリエイトする
マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~ 第10章 反乱前夜
「それを、おまえにやる。
持っていけ」

揺れる眼差しで見上げるアンドレスの瞳の中で、アパサは静かに笑っていた。

「おまえはよくやった」


サーベルを掲げ持ったまま、アンドレスは深く頭を下げる。

「本当に、何と御礼を申し上げたらよいのか……」

思わず涙が込み上げそうになるのを、彼はぐっとこらえた。



アパサは静かな口調で続ける。

「これまで敵を攻撃することばかりを言ってきたが、おまえに渡したこのサーベルは、ただ攻めるだけのものではない。
そもそもサーベルとは、攻めるよりも守ることに優れた武器なのだ。

サーベルには、敵のもつ銃や大砲には無いものが宿っている。
それは、美しく、魂と呼ぶにふさわしい雰囲気とも言えるだろう。
おまえには合っている」


アンドレスは、もはやこらえられず、男泣きに涙を落とした。
恐らく、アパサも感極まっていたことだろう。


だが、それを悟られまいとするかのようにサッと下を向いて呼吸を整え、深く響く声で言う。

「アンドレス。
これで己の身を守れ。
おまえは命を落とすなよ」

アンドレスは、霞んだ視界で、アパサに深く礼を払った。


アパサも、それに応えるように深く礼を払う。

「さらばだ、アンドレス。
次は、戦場で会おう」

132
最初 前へ 129130131132133134135 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ