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成人向
発行者:ほおずき
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2012/04/06
最終更新日:2012/09/23 23:16

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spring 第1章 first contact
「足りた?、デザートは?」


メニューを渡してやると、ハルは気難しげに眉を寄せた。そういう可愛くない顔が、妙に可愛い子だ。


「‥ヘンデルとグレーテルみたい」


お菓子の家で子どもを誘い、太らせてから食べるあの童話? なるほど、そうかもしれない。


「どうせ、悪い魔女に食べられちゃうなら、
お菓子の家も食べておいて損はないんじゃない?」


俺は間違いなく悪い大人で、お菓子の家は一泊の宿と食事だ。ささやかであまりに現実的な物語‥。

生憎、彼には助けてくれるグレーテル(妹)も登場しない。



「ゆずシャーベット」


ハルはメニューを見ながら、アイスを指差す。
うん、子どもは遠慮なんかしないほうがいい。


「コーヒー?、紅茶?」


「アメリカンのコーヒー」


ここでケーキだとか言い出さないあたり、ハルはいい味覚をしていると思う。

次があったら、一緒にコース料理でも食べに行きたいぐらいだ。



「大人だね」


素直にそう思ったけど、ハルはからかわれたと思ったのか、眉を寄せる。


「子どもだと思ってるだろ?」


「幾つなの?」


「18。本当だから」


疑う前に釘を刺された。
本当に18なら、かなり童顔な部類だ。
だが、どう見ても雰囲気は高校生だ。
さっき春休みだと言ってたし。



「高校生?」


「そう、三年」


「4月生まれ?
俺も四月だよ」


今日の時点で、18で高校生三年生なら、嘘か留年でもしてない限り、四月の上旬生まれだ。



「だろうね。ハルとさくらじゃ、どっちも4月だ」


「運命かな?」


「馬鹿じゃないの?」



ハルがまた呆れた顔をする。
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