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成人向
発行者:ほおずき
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2012/04/06
最終更新日:2012/09/23 23:16

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spring 第4章 searching,
「‥‥吐きましたね」


「吐いたな」


「吐かせちゃったわね‥。
忙しくなるわよ、これから」


居酒屋の個室で、三人揃ってテーブルに撃沈していた。

正直、疲れた。

そして亘理さんの言うように明日からのことを思えば更に疲れた。

依頼主が語った新事実は、確かに此方には不利益な状況だったが、そこには相手側の嘘も隠されていた。

明日は裏付けをさがして、また街を駆け回ることになるだろう。



「‥でも、勝てる」


勝てなくてもなるべく依頼主に有利に訴訟を終わらせることが、今回の仕事だったが、不意に光が射した。


「まあね」


亘理さんも、目を細めてカランとグラスの氷を鳴らした。




「やっぱり吐かせるに限ります。
疑わしいところから罰していきます」



宮原さんは細い手でバンッとテーブルを叩く。目が少し赤かった。

依頼主に嘘をつかれたのが堪えたのだろう。破天荒に見えて、繊細で優しい人なのだ彼女は。



「逆でしょ、それ。
だーから、宮ちゃんは可愛いのに彼氏できないのよ」


姉のように宥める亘理さんの声もからかうというよりは優しいものだった。


「それは怪しくても放置しておけって事ですか?」


「俺は反対。
浮気は駄目だし、放置も駄目」



今までなら、付き合っている相手に怪しいところがあっても、敢えて追求はしなかった。

無理と思えば分かれるだけだ。


でも、ハルは違う‥‥。
大切にしたい。嘘は疲れたくないし、信じていたい。



「ですよ」


「ね‥」
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