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成人向
発行者:ほおずき
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2012/04/06
最終更新日:2012/09/23 23:16

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spring 第2章 searching,
「ハル‥?」


お互いに風呂を済ませて、オヤスミと声をかけて部屋の電気を落とした。程なくして部屋の中は無言に包まれた。

なのに、何故かハルは自分のベッドを抜け出して、無言で俺が横になっているベッドに腰掛けた。



「どうしたの?」


上半身を起こしてハルの顔を覗き込むが、真っ暗な室内では、表情まで正確にはわからない。


「‥‥隣で、寝てもいい?」


呟くような小さな頼りない声。
さっきまで、どこか淡々としていたハルの声が頼りなく揺れていた。



「ハル?」


上半身をそっと俺にもたれ掛からせ、頭を首筋に押しつけてくる。薄いパジャマ越しに、高めの体温が伝わり、甘いシャンプーの匂いが鼻を掠めて、心臓が跳ねた。



「ハル、寝ぼけているのか?」


自分の口から出た声が、無意識なのに酷く甘ったるかった。


「隣、いてもいい?」


ハルの逡巡を滲ませた声は、寝ぼけてるわけではなさそうだった。


「いいよ。おいで」



細身の身体に腕を回して、そっとベッドに押し倒し腕に抱きしめた。ハルは苦情を言うどころか、大人しく俺の腕の中に収まり、パジャマを裾を胸が締め付けられる。
嬉しいのか、恨めしいのかさえ、よくわからない。


「するのは、いやなんだろう?」


あんなに、はっきり俺とはやらないと言っていたのに、こんな迂闊な真似をするハルがわからない。


「‥したいの?」


「したいよ」


やせ我慢する気もないし、取り繕う気もなかった。無理強いする気はないけど、ハルが欲しいのは本心だ。


「‥やだ。サクラ、怖いから」


「そんなに、他の男達は優しかったか?」


「なんで、いきなり怒るの?
前の時も‥」


「怒っていないよ」


「うそだ」


嘘だ。
ハルに他の男が触れるのは嫌だ。
路上に立つような真似は止めて欲しいと思ってる。だけど、それをハルには言えない。



「ハルが可愛いよ‥」


「‥‥」


彼は照れたのか、甘えるようにぐりぐりと首筋に頭を押し付けてくる。



「ハル‥」


「乱暴なことしないって、サクラの口で言って。俺が嫌だって言ったら、止めるって約束して」



俺のパジャマを握っていたハルの手を外させて、その手に口付けた。


「ハルが嫌だって言うことはしない。約束する」
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