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成人向
発行者:ほおずき
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2012/04/06
最終更新日:2012/09/23 23:16

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spring 第2章 searching,
春休みが終わったからか、繁華街に屯していた少年少女たちの数はぐっと減った。


俺はあれから毎晩のように、仕事が終わるとあの街を廻っているけど、ハルの姿は見つけられない。


家出はもう止めたのだろうか。
それとも、客を捜す場所を替えたのか。


あの日、やはりハルを起こして連絡先を聞いておくんだった。 もしかしたら、また会う約束をしてくれたかもしれないのに。


きっと、もう会えやしない。
そう思いながらも、ハルを探すのを止めることは出来なかった。




そうやって二週間が過ぎた夜、ようやく彼を見つけた。


ハルは電信柱に寄りかかりながら、辺りを眺めていた。


「ハルっっ」


「さくら‥、」


「見つけた、」


間違いなくハルだった。ちゃんと俺の名前を呼んだ。


「捜したっ」


思わずハルの細い腕を掴むと、きっと睨まれる。


「別に俺が逃げた訳じゃない。
アンタが俺を置いていったんだろ。こんなの残して」


ハルは見覚えのない茶封筒を、無理やり俺の手に握らせた。



「何?」


「金は貰わない約束だった」


「返しに来てくれたのか?、
いいんだ、それはハルに」


「いらない」


ハルは真っ直ぐに俺を見て言い切る。
‥ああ、俺はこの子の、この目が好きなんだ。



「なら、この前のお詫びに何か好きな物でもご馳走したい。今晩、また一緒に過ごせないか?」



「やだ、もう絶対アンタとしない。
腕、離して」


「ハルがやだって言うことはしないよ。約束する」


「腕、はなせっ。大声出す」


ハルは困惑の中に、恐怖が入り交じったような顔で言葉を荒げた。



「離さない。
頼むから、逃げないで。
ご飯、一緒に食べるだけでいい。ホテルは行かなくてもいいよ」


「‥‥‥ホテル行かないなら、別の客捜す。寝る場所ない」


やっぱり、彼は今も一泊の宿と食事のために自分を売ってる‥。


「ならっ、、一緒に行こう。
本当にハルには触らないから。
別のベッドで寝るよ」


「本当に‥?」


「約束するよ」


胸が痛い。
ハルに会ってから、傍にいてもいなくても、胸が痛い。
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