毬音の檻
毬音の檻
成人向アフィリエイトOK
発行者:梶浦絶
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:恋愛

公開開始日:2012/03/22
最終更新日:2012/03/27 19:02

アフィリエイトする
マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
毬音の檻 第1章 暗闇から覗き見た、暗闇。
 自分の部屋と似ている天井を見ている。暫くしてドアが開く音がする。
 毬音は海の底に沈んでいっていた体が、乱暴に大きな手で引き上げられたかのような感覚になる。まだどこにも行きたくなかったのに、無理やりに手を引かれたような。
「寝てるの?」
「……寝てない」
「お菓子、あるよ。おなかすいてない?」
「充、優しい」
「だってお兄ちゃんがいないからさ、毬音の機嫌が悪いから」
 毬音はベッドの上で体を回転させ、ドアの前でコーラのペットボトルとクッキーの箱を持っている充を見る。
「毬音、パンツ見えてる」
「見ないでよ、えっち」
「子供のパンツなんて見たくない」
 むっとして充はそう言い捨てる。自分も十分子供だったが、毬音よりは年長の気持ちがあるのだった。
「でもお兄ちゃんは、よくお医者さんゴッコをするんだよ。毬音のスカートをいつもまくるもん」
「馬鹿、毬音。お兄ちゃんがそんなつまらない遊びするはずがないじゃん」
「ほんとだって。ほら、聴診器」
 毬音は右手に、銀色の小さな円盤がついたような聴診器を持っている。病院で使っている本物のように充には見えた。
「どこからだしてきたの?」
「お兄ちゃんがいつも使ってるもん。今日はここにあった。ベッドと壁の間」
 充は眉を顰めて、じっと毬音の手にある聴診器を見た。
「そんなの、なんで持ってるんだろう……」
 毬音は体を起こしてベッドの端にすわる。適当にスカートを戻す。
 スカートの裾からは、真っ白い傷一つない足が伸びている。
4
最初 前へ 1234567 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ