毬音の檻
毬音の檻
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発行者:梶浦絶
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2012/03/22
最終更新日:2012/03/27 19:02

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毬音の檻 第1章 暗闇から覗き見た、暗闇。
「毬音、帰れば」
「でも、ママ居ないもん。今日は帰ってくるまで充とお兄ちゃんと遊ぶって言ったんだもん」
「家に居ればいいじゃん」
「やだ、怖い」
「怖くないよ、昼間なのに。馬鹿だな」
「馬鹿じゃないよ! なんでそんなこと言うの!」
 毬音は頬を紅潮させて、じっと充を睨む。すると充は気まずそうに眼を逸らす。
 そして暫くして言った。
「ごめん」
 毬音はちらりと充の横顔を見た。充もこちらを見て、目が合った。
「俺の家行こうか。お父さんもお母さんもいないし」
「うん、そうしよう……」
 毬音は翔が居ないことが残念だった。
 翔がいつも毬音と充を面白い遊びに誘ってくれた。たったみっつ年上なだけなのに、毬音のできないことも何でもできるように見えた。毬音は翔が大好きだった。
「こっち」
 充は立ち上がり、ついてくるように促す。
 毬音はそれに続く。充と二人で何をして遊ぼうか、と考える。でも思いつかない。
 充の何か考え込むときの眼差し。兄を見るときの憧れの眼差し。 
 毬音は充の後に続きながら、そんなことを思い浮かべる。
 庭を通る。
 毬音の家と同じようなつくりなのに、こちらの庭のほうが沢山の花が咲いている。
 じっと見たい気持ちもしたが、充に置いていかれそうなので、毬音は諦める。
 充はポケットから鍵を取り出して、開けた。
「おじゃまします」
 毬音はそういって、家の中に入った。









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