MaraSon Part2
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成人向完結
発行者:とりさん
価格:章別決済
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ジャンル:その他
シリーズ:MaraSon

公開開始日:2012/03/20
最終更新日:---

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MaraSon Part2 第10章 7
 大樹君は両方とも、きっちり覚えていた。僕は数値を聞いて飛び上がりそうになった。中学入試の模試ってのは、信頼できる大きなやつはそんなにたくさんない。私塾がやってる大きなやつだ。受験者が一万人として、偏差値八〇以上ってのは十人余りしかいないはずだ。灘や開成ももちろん狙える。塾に行ってりゃ、狙えって言われるだろう。大樹君の志望校は、たぶん彼が自宅から通える範囲でのベストチョイスで、全国的には中堅上位ってところだ。試しに志望校内順位を訊いたら、一位だ。一度きりの模擬試験でフロックだとしても、客観的に言って楽勝だ。僕は安心したが、この時期にダイレクトに彼にそう言って、油断させるのもよくない。
「なるほど。よくがんばったんだね。じゃ、今からはとにかく、からだの健康が大事だ。焦って徹夜で勉強とか、もっての他だよ。勉強は学力の維持の範囲にとどめる。同じ時間に寝て、同じ時間に起きる。君が朝走っている時間からすれば、六時起きくらいだね」
 大樹君はうなずいた。真面目な実のある話を、一生懸命聞いている目だ。実際今だけ僕は、そういう話をしている。
「寝るのは? 時間決めてる?」
「何もなければ、十時半です」
 三十分刻みかよ。人の眠りのサイクルはおおむね九十分を単位としている。六時間の次は七時間半。理想的だが、この几帳面すぎるところは、陥とし穴になりかねないな。
「いいね。試験の前日も当日も、そのままがいい。走るのも続けよう。雪や雨でない限り、試験の当日すら、走った方がいいね」
 大樹君はうなずく。
「人間、十分な覚醒水準に至るまで(用語が難しすぎるが、大樹君なら前後で意味がわかるはずだ)、三時間くらいかかるってのが定説だ。試験の開始が九時や九時半として、普通の子の七時半起きとかはやや遅いんだな。君はそのままでオーケーだ」
 大樹君はまたうなずく。
「来週、お父さんは日曜、休めますか?」
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