MaraSon Part2
MaraSon Part2
成人向完結
発行者:とりさん
価格:章別決済
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ジャンル:その他
シリーズ:MaraSon

公開開始日:2012/03/20
最終更新日:---

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MaraSon Part2 第2章 2
 僕はドアチェーンを外し、ドアを開けた。父親(と思われる巨漢の男性)は動かず、大樹君がすっと玄関に入ってきた。

「こんにちは、先生」
 大樹君は笑顔こそないが、落ち着いていた。むしろ何か、真剣な表情だった。
「あ、ああこんにちは……ひ、大樹君、君は……」
 僕は落ち着きを失って、しどろもどろだった。僕を見上げる小柄な大樹君の表情は、いっそう引き締まった。
「先生、約束破って、ごめんなさい。お父さんを、連れてきました」
「ごめんなさいって……」
 ごめんなさい? 一体どういう意味だ? 相変わらず大樹君は、僕の支配下にある気なのか? だったらなぜ、父親を連れてきたりしたのだ?
「ごめんなさい、先生。でもどうしても、こうしなきゃいけなかったんです。お話、聞いて下さい。お願いします、先生。そのあと、何でもします。がんばりますから……」
 大樹君は深々と頭を下げた。僕は恐怖と混乱を覚えた。彼の言うことが全く理解できなかった。一体何の罠なんだこれは?
「……わ、わかったから頭上げてくれ。上がって」
 何もわかっていなかった。冷や汗が止まらない。
「ありがとうございます、先生」
 大樹君は頭を上げ、後ろを振り返った。
「お父さん……」
 大樹君の父親は、寒いドアの外で、立ちつくしていたが、彼に呼ばれてやっと動いた。でかい。ドアをくぐるように頭を下げて、玄関の中に入ってきた。
 身長一八〇を軽く超える大男で、いかつい髭面だった。肌は褐色気味で、見事なほど息子と似ていなかった。服装は息子とお揃いに近く、濃い茶系地に白い袖のスタジャンに、コールテンの、これも濃い茶系のズボンを穿いていた。腰周りも太い。ズボンがはち切れそうなくらい、太腿も太い。プロレスラーみたいだ。歳は僕より、少し上だろう。でも四十はいってないように見えた。
 僕につかみかかってくるのか、あるいはどんな怒りの形相を見せるのかと僕は身構えたが、意外にも彼は悄然として元気がなかった。ぼそぼそとした声で、「こんにちは」と挨拶さえした。僕はどう答えていいかわからなかったが、力が抜けた。

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