MaraSon Part1
MaraSon Part1
成人向完結
発行者:とりさん
価格:章別決済
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ジャンル:その他
シリーズ:MaraSon

公開開始日:2012/03/20
最終更新日:---

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MaraSon Part1 第2章 2-1
「立てる? トイレはこっちだ」
「……すいません」
 僕は大樹君の両脇に手を添えて、ふらふらする彼をトイレに導いた。洋式の便器の蓋を上げてやると、便座に手をついてげえげえとやりはじめた。僕は背中をさすってやる。心配そうに(見える顔で)大樹君の顔を覗き込む。ぎりぎりの時まで、「優しいおじさん(お医者さん)」を演じ続ける。
 粘った唾液が落ちるだけで、ほとんど何も出なかった。早朝ジョギングをしているわけだから、朝食はまだなんだろう。胃には何も残っていないのだ。空きっ腹にアルコール、小さなからだにこたえるわけだ。
「それ以上やっても苦しいだけだね。こっちに来て口をゆすいで、冷たい水を飲んでごらん。少しは楽になる」
 僕は大樹君を洗面所に連れて行った。彼は言われた通りにし、コップ一杯の水をあおるように飲んだ。
 コップを置いた大樹君を誘(いざな)って、再び寝室に連れて行くと、ベッドに座らせた。彼の前にしゃがんで、僕は彼と間近に向かい合う。
「どう? まだ気分悪い?」
「……ちょっと……ふらふらしますけど、大丈夫です」
 大樹君は僕に微笑んで見せる。
「もうちょっとだけ休んでいきな。家に連絡した方がいいかな」
 そんなことをする気はさらさらなかったけど、まだ自然な会話の流れを大切にする。
「……いえ、家誰もいないから……それにもう、帰ります」
 父子家庭なのかな? 共働きか? 今日は日曜だが……。大樹君が腰を浮かせたので、僕はやんわりと肩を押して再び座らせた。
「迷惑だと思ってるなら気を遣わなくていいよ。どうせ行きがかりだし、帰り道で倒れられた方が僕は困る。一応医者だからね。もう少し休むんだ」
 大樹君は小さくうなずいた。
「ところでさっきの話だけど、僕に見覚えない?」
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